【コラム】抜け毛の症状

「女性びまん性脱毛症」という言葉を耳にしたことはあるでしょうか。

これは３０代後半以降の女性に多く見られる抜け毛の症状なのですが、女性びまん性脱毛症というのは、男性型脱毛症と同じように、毛髪が完全に成長する前の軟毛の時点で毛が抜け落ちて、休止期毛の割合が多くなり、結果的に全体の毛髪の割合が減少して薄毛となる症状です。

しかし、男性の場合、前頭部から頭頂部にかけて抜ける男性の脱毛症とは違い、この脱毛症の場合は全体的に抜けるのが特徴です。

これは、大半がストレスによるもので、例えば、過度のダイエットで栄養不足状態になると、髪の毛にも栄養が届かなくなり抜け落ちてしまうのです。

また、分娩後にも脱毛が見られることがあります。

これは妊娠中に胎児に栄養を取られるためで、暫くすると改善しますが、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が多い妊娠期と比べて、そのホルモンの分泌が減少してしまう出産後は毛の周期も休止期に入ってしまうからなのです。

頭皮細胞も加齢によるホルモンの減少によって老化していきます。なので、男性に限らず女性も抜け毛の悩みを抱えているのはこのためだとも言えます。

女性びまん性脱毛症の原因

・老化
・ストレス
・過度のダイエット
・経口避妊薬（ピル）
・過度のヘアケア

細胞自体の老化、動脈硬化による循環不全などのため、次第に毛包が消えていきます。年齢とともに、この傾向が強くなり、特に60歳を越えると程度は人により異なりますが、誰にでも脱毛症状が見られるようになります。
また、社会的に活躍する女性が増えた現代は、女性も大きなストレスを受ける機会が増えて、更に育児や家事など、明らかに精神的ストレスが原因で急激に頭髪が薄くなることも少なくありません。

若い女性に多いのが栄養失調状態の過度なダイエットです。これでは勿論、毛髪の組織も栄養失調に陥ります。成長期の髪の状態を維持できなくなり、結果的に休止期毛が増えて脱毛が起きる原因になります。

そして、経口避妊薬の飲用も脱毛の原因の一つ。先述したように、女性ホルモンと頭髪は密接な関係にあり、経口避妊薬はプロゲステロンという女性ホルモンの一種であり、これを一定期間内服した後で中止すると、一時的に休止期毛が多くなって、びまん性脱毛症を起こすと言われています。

最後に、過度のヘアケアも良くありません。傾向としては、若い女性に多いようですが、清潔さを求めるあまり、日に２度もシャンプーをしたり、ドライヤーやブラッシングのし過ぎは頭皮を傷めます。ムースやジェル、スプレーなどの整髪料も使い過ぎると脱毛の原因になります。

女性びまん性脱毛症の治療法

・育毛剤
・器具
・生活様式の改善

血管拡張剤や栄養剤など、主にホルモン剤以外の薬剤が有効。特に植物から取る多糖類は女性によく効きます。器具を用いた治療法は、赤外線治療や電気磁気治療、タッピングなどがありますが、まずは生活様式の改善から心がけるようにしましょう。

ストレスを溜めないこと、過度なダイエットはしないこと、過度のヘアケアはしないこと、これだけの負担を自身から除いていくことがまず一歩です。それができてこそ、他の治療法が初めて効果が出てくるというものです。

女性の育毛に有効な成分

・玄米
・コラーゲン
・ビオチン
・ビール酵母
・緑黄色野菜

玄米は髪の主原料であるアミノ酸の合成に不可欠な亜鉛などのミネラル、ケイ素、炎症を抑えるミリアシン、皮膚障害に良いといわれる高度不飽和脂肪酸やその他ミネラルが豊富に含まれています。食物繊維も豊富でダイエットにも効果的です。

コラーゲンは髪や爪の主要な構成要素です。その生育にとって大切な役割があり、コラーゲン不足は白髪や抜け毛、爪が薄くなる原因になります。

ビオチンはビタミンＨとも呼ばれている、ビタミンＢ群の一種で水溶性のビタミンです。ブドウ糖や脂肪酸、アミノ酸などの代謝や合成に関わっており、これが不足すると疲労感などとともに湿疹、抜け毛、白髪といった皮膚や髪の症状が現れます。

ビール酵母の中には毛髪のツヤやハリをもたらす良質のタンパク質、ビタミンＢ群、食物繊維などが豊富に含まれているので、活性酸素の発生が抑制されて、老化を抑える効果があります。発酵食品全般に効果がみられます。

緑黄色野菜は脱毛の原因となる活性酸素を抑える抗酸化作用があり、特にトマトのような色の濃い野菜はリコピンなどの成分が豊富に含まれているので、抗酸化作用が強いようです。